アーツ・アンド・クラフツ・ムーヴメント あーつ・あんど・くらふつ・むーう゛めんと 19世紀後半の産業革命の機械化の中、「機能性」と職人の手仕事から生み出される「美」を兼ね備えたものを製作し、万人がその喜びを享受できることを目指した芸術活動のこと。
アーモリアル あーもりある 図柄として、あるいは図柄に加えて紋章が入れられている作品
アール・ヌーヴォー あーる・ぬーう゛ぉー 19世紀末〜20世紀初頭にフランスを中心に流行したスタイルで、「新しい芸術」の意味。自然の形態をモチーフに、流動的な曲線・曲面を用いて、装飾・図案的に表現しているのが特徴。
アール・デコ あーる・でこ 1920〜30年代にフランスを中心に興ったスタイルで、「アール・ディコラティーフ(装飾美術)」の略。直線的で単純化されたデザイン、幾何学模様や左右対称の絵柄、異種素材を用いた構成が特徴。
アラビア社 あらびあしゃ “Arabia”フィンランドの陶器工房。1873年、スウエーデンのロールストランド社の子会社として設立され、1916年に独立した。
アルミナ あるみな アルミニウムの酸化物で、磁胎、釉薬の重要な構成要素である。
井戸 いど カップが動きにくいようにする、ソーサー中央部の窪みのこと。ウェル。
伊万里 いまり 佐賀県有田町周辺で焼かれ、伊万里港から積み出されたのでこう呼ばれるようになった。染付に赤・金彩を施した色絵古伊万里は、日本独特の焼き物として各地にひろまり、この様式はヨーロッパや中国でも摸倣された。
インドの花 いんどのはな マイセンを初めとするドイツ圏の諸窯で製造された柿右衛門様式の花絵のこと。
印判 いんばん 同じ模様の作品を多数作るための絵付け技法。型紙、銅板、ゴム印などをそれぞれ独自に加工して、これを使用して器面に同じ模様を転写する方法。
ヴァンサンヌ窯 う゛ぁんさんぬよう 'Vincennnes'1745年にフランス王室の肝いりで設立された磁器会社。1756年にセーヴルに移転。
ウーイ・ド・ペルドリ うーい・ど・ぺるどり イワシャコ(ヨーロッパヤマウズラ)という鳥の目を模した連続地文様で、ヴァンサンヌ=セーヴル窯でデザインされたもの。
ウィーン窯 うぃーんよう “Wien”デュ・パキエが、1717年にオーストリアのウィーンに創設した磁器工房。1719年に磁器焼成に成功。1744年に国営となり、1864年に閉鎖。
ヴィクトリア女王 う"ぃとりあじょおう 1837〜1901年のイギリス女王。ヴィクトリア女王の時代のスタイルを「ヴィクトリアン」という。古典的でロマンチックなデザインが特徴。
ウエッジウッド社 うえっじうっどしゃ “Wedgwood”イギリス・スタッフォードシャー地方に、1759年にウェッジウッドが陶器工場を開いたのが始まり。クリーム色の陶器であるクリーム・ウェアや王室の奨励により開発したクィーンズ・ウェアで名をあげ、世界に市場を広げた。
ヴェルミキュール う゛ぇるみきゅーる 虫喰い文。虫這い文。
絵付師 えつけし 陶器、磁器の表面に絵を描くことを「絵付け」という。釉の下に描くものを「下絵付け」、上に描くものを「上絵付け」といい、絵付けを専門に行う人を「絵付師」という。
エナメル えなめる エナメルペイントの略称。油ワニス(透明塗料、ニスなど)と着色顔料を練り合わせ、平滑で高い光沢を有する塗膜が得られるように作られた塗料の総称。

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カオリン かおりん 景徳鎮近くの高嶺山から採掘される石英質の白土で、山の中国読みをとって「カオリン」と呼ぶ。真正硬質磁器には欠かすことのできない材料。
柿右衛門 かきえもん 肥前国(佐賀県)有田南川原の陶家(1596年〜)。純白の白磁に色絵具で花鳥人物文を画いた。柿右衛門手と呼ばれる赤絵磁器は、代々伝わる技法・釉薬・材料を用いて、同家の窯より出た作品のことで、多数の工房職人の手によるものである。
カスタード・カップ かすたーど・かっぷ 大抵は蓋付きの小型カップで、フランスに由来する。
ガドルーン がどるーん 銀器の装飾を模倣したもので、食器の口縁などにある連続した凹凸の立体装飾のこと。
カーフレイ窯 かーふれいよう 'Caughley'1775年頃にトーマス・ターナーが設立。1799年にコールポートに買収され、工場は1814年まで操業した。主にウースター窯と同じステアタイト磁器を作った。
カマイユ かまいゆ モノクローム(単色)描きのこと。一般的には立体感と奥行きのある単色絵に用いる言葉だが、染付のレース文様やベラン文様のような全く奥行きのない絵柄を含めて、モノクローム着彩の総称をいう。
窯元 かまもと ここでは、陶磁器の製造元のことをいう。<例>マイセン窯(「まいせんよう」)
窯外 かまがい 陶磁器の製造元には所属していない窯元外部の絵付け工房のことをいう。
カユテ かゆて セーヴル窯で1752年頃にデザインされた楕円形の連続地文様。小石文様、玉砂利文様。
ギルディング ぎるでぃんぐ 金の着彩技法。金粉を蜂蜜で練るものや、水銀で練るものなど様々な方法がある。
金彩 きんさい 金襴手(きんらんで)。金彩色絵磁器のことをいう。上絵付けの後、金箔を焼きつける。広く言うと金泥を用いたものも含む。
金の中国人 きんのちゅうごくじん 初期のマイセン窯の白磁に用いられた絵付けの名前。金彩で中国人の絵と描いたのでこのように呼ぶ。
グリザイユ ぐりざいゆ 灰色だけで陰影を付けて描き、薄い盛り上がりの彫刻であるかのように見せかけた絵、もしくはその画法のこと。
硬質白磁 こうしつはくじ 硬質磁器のこと。純粘土(磁土)を主成分とする素地に長石質の釉(うわぐすり)をかけ、摂氏1400度ぐらいで焼き上げる。質は緻密(ちみつ)で、食器・装飾品・電気部品・機械部品・建築資材などに用いられる。
コードル・カップ こーどる・かっぷ 大型の両手・片手カップで、おかゆやオートミールを食べるもの。
コーヒー・キャン こーひー・きゃん 円筒型の器形で、小振りのマグ・カップ。コーヒー用とは限らず、紅茶用としても使用されていた。
コープランド社 こーぷらんどしゃ “W.T.Copeland(&Sons)”1833年、スポード社をウイリアム・コープランドが買収し、息子で後のロンドン市長のウイリアム・テイラー・コープランドの単独経営に。スポード=コープランドはボーン・チャイナやフェルスパー磁器、パリアンを開発した。⇒スポード社 
コールポート窯 こーるぽーとよう 'Coalport'1796年頃、ジョン・ローズとエドワード・ブレイクウェイによって設立され、19世紀前半の英国磁器に多大な影響を及ぼした窯。

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サン・クルー窯 さん・くるーよう 'St. Cloud' ピエール・シカヌーが17世紀末に設立した窯。フランスで発達したフリット軟質磁器を作った。
磁器 じき 一般に長石分の多い石を粉砕して、粘土に混ぜて出来あがる「磁土」を高温で焼いてできる。金属分を殆ど含まないので、元の粘土が白いまま焼きあがる。
シノワズリ しのわずり 18世紀に流行した中国由来の装飾様式のこと。
ジャポニスム じゃぽにすむ ヨーロッパ美術に対する日本美術の影響や「日本趣味」を意味する言葉。
シャンティーイ窯 しゃんてぃーいよう 'Chantilly' コンデ親王・ブルボン公ルイ・アンリが、1725年頃シケール・シルーに命じて軟質磁器を作らせた。柿右衛門写しの絵柄が知られる。
ジュール仕上げ じゅーるしあげ 宝石に色を似せた透明もしくは不透明のエナメルを釉薬の上から付けていく、描画方法。
ジョージアン様式 じょーじあんようしき “Georgian”英国王ジョージ 1 世の即位 (1714) からジョージ 4 世の没年 (1830) に至る同名の 4 国王の時代につくられた建築,家具,銀器などにみられるすべての様式を呼ぶ。
ジョーヌ・ジョンキーユ じょーぬ・じょんきーゆ 1753年にヴァンサンヌ窯で開発されたレモンイエロー。
シルバー・フィラグリー しるばー・ふぃらぐりー 導電性の物質で下絵を描き、あるいはプリントし、そこに電気メッキの方法で銀を析出させる装飾法。俗にシルバー・オーバーレイ、銀巻きとも呼ばれる。
新古典主義様式 しんこてんしゅぎようしき 18世紀後半〜19世紀初頭に興った、古代ギリシャ・ローマ美術を規載とするスタイル。古代風の様式やモチーフが取り入れられ、水平線や垂直線の強調、同じパターンの繰り返し、幾何学性など、デザイン化された要素が目立つ。
ステアタイト磁器 すてあたいとじき ソープロックの主成分であるソープストーンを配合した磁器。1740年代後半にブリストルでベンジャミン・ルンドが開発し、後にウースター窯やカーフレイ窯などで実用化された。
ストラスブール窯 すとらすぶーるよう 'Strasbourg'1721年頃からファイアンスを焼いていた窯で、1751年にリングラーを招いてフランス圏で初の真正硬質磁器焼成に成功した。ヴァンサンヌ窯からの圧力に屈して、1754年製磁事業をフランケンタールに移転。
スポード社 すぽーどしゃ

“Spode”1770年頃にストーク・オン・トレントでジョサイア・スポードが創始。1795〜1800年頃、息子のジョサイア・スポード2世がボーンチャイナ製造の材料配合法を完成。「ボーンチャイナ」の工業式大量生産を最初に実現したメーカー。 後にウイリアム・コープランドに買収された。⇒コープランド社

青花 せいか 白色の胎土で成形した素地に、顔料で絵付してその上に釉 (うわぐすり)をかけ、焼きあげた陶磁器の中国での呼称。文様が藍青色に発色するので青花 (青い文様の意味)、また釉裏青とも呼ばれている。
セーヴル窯 せーう゛るよう “Sevres”フランスの磁器工場。1738年にオルリー・ド・フルヴィの采配でヴァンセンヌに開設。1756年にルイ15世の寵愛を受けたボンパドール夫人の支援を受け、ベルサイユ近くのセーヴルに移転し、王立セーヴル磁器制作所と名を改めた。
セラドン せらどん 青磁、あるいは青磁色の釉薬のこと。
ソープストーン そーぷすとーん ステアタイトのこと。ステアタイトやカオリンが混ざった花崗岩天然石をソープロックといい、通常はこの形で採掘される。
染付 そめつけ 中国でいう青花のこと。白地の素地に呉須(ごす)というコバルトを含んだ天然の鉱物で絵付けをし、その上に釉薬をかけ焼成したもののこと。

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ダービー窯 だーびーよう 'Derby' 1746年頃アンドリュー・プランシェが設立し、ウィリアム・デュズベリに経営が交代してから繁栄した。1811年からロバート・ブルーアの経営となったが、1848年に廃窯。
チェルシー窯 ちぇるしーよう 'Chelsea' 1745年頃、ニコラ・スプリモンがロンドンに設立した。1770年にウィリアム・デュズベリに買収され、チェルシー=ダービーと呼ばれる。1784年に廃窯。
チェイシング ちぇいしんぐ 金彩の表面を細いニードルなどでこすって絵柄や文様を描くこと。
チャイナ・クレイ ちゃいな・くれい →カオリン
チャイナ・ストーン ちゃいな・すとーん アルミニウムや珪素を含んだ長石質の石で、磁胎、釉薬ともに用いることができる。
ティーボウル てぃーぼうる 中国からカップが茶道具として伝わった頃は、取っ手がなく、(日本の湯飲みのような形)このボウル型のカップで紅茶を楽しんだ。18世紀後半にヨーロッパが各国でカップの生産をおこなうようになり、ティーボウルは衰退した。
デルフト でるふと 錫白釉を施したオランダ産のアーザンウエア。「デルフト」は街の名前。
陶器 とうき 「陶土」と呼ばれる、主に珪酸(ケイサン)とアルミニウムの混合物に少量の鉄などの金属分を含む粘土でできている。これを低温で焼く。金属分が化学変化をおこして赤や灰色に変化するため、茶色っぽい色合いになる。
銅版転写 どうばんてんしゃ 防蝕剤を塗った銅版に絵柄を彫り、腐食剤を塗って筆跡を腐食させた凹版を作る。その銅版に顔料を刷り込み、印刷機で紙に写し取り、この転写紙を器面に貼り付け図柄を付着させた後、紙だけをはがして印刷する転写方法のこと。
トゥルネイ窯 とぅるねいよう "Tournai"1751年F.J.ペテリングがシャンティーイ窯出身のロベール・デュボワの助力で設立した。
トロンプ・ルーイ とろんぷ・るーい 騙し絵。その場に物があるかのように見せかけたな巧妙な描写絵。紙に描いた絵が磁器上に貼り付けられているような表現が多い。

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ニヨン窯 によんよう スイス、レマン湖(地元ではジュネーブ 湖と呼ぶのが一般的)畔のニヨンに1781年設立。1813年までわずかの期間に秀逸な作品を残した。
ニンフェンブルク窯 にんふぇんぶるくよう 'Nymphenburg' 1747年フランツ・イグナツ・ニーダーマイヤーがバイエルンに設立し、1753年にリングラーを招いて硬質磁器焼成に成功した。

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ハウスマーラー はうすまーらー ドイツ圏などの職人で、窯に属さず、自ら工房・アトリエを持ち、独自に白磁を購入して絵付けを行った絵付け師のこと。
ハーグ窯 はーぐよう 1775年オランダのハーグに設立された。ブーシェ風人物画や、色絵の花などで評価が高い。
白磁 はくじ 磁器の一種。白色の素地に透明釉をかけ、高温で焼成する。中国では華北で6世紀、日本では17世紀に伊万里で始まった。
パゴダ ぱごだ ヨーロッパ人が東洋の仏塔など、高い塔状の宗教建造物のことをこのように呼んだ。
パート・シュル・パート ぱーと・しゅる・ぱーと 中国磁器を模倣して、19世紀半ばにセーヴル窯で開発され、1870年にマルク・ルイ・ソロンによってミントン窯にもたらされて発展した泥彩画技法。日本では俗にパテ・シュール・パテと呼ばれる。
バロック様式 ばろっくようしき 16世紀末〜18世紀初頭にフランス・イタリア・ドイツなどで広まったスタイル。元々「いびつな真珠」が語源とされている。ドラマチックな効果をねらった動感や誇張のある表現、過剰な装飾が特徴。
ビスケット焼成 びすけっとしょうせい 釉薬をかけて焼く本焼成の前に、低火度で行う素焼きのこと。
ビーダーマイヤー びーだーまいやー “Biedermeier”ビーダーマイヤーは、1815〜48年までの〈復古期〉におけるドイツとオーストリアの家具調度、美術、音楽、文学等の様式、ならびにその時代の小市民的な生活感情を示す言葉。ビーダーマイヤー様式とは、簡素で実用的な家庭的温かみのある様式を示す言葉として使われることが多い。
ビング・オ・グレンダール社 びんぐ・お・ぐれんだーるしゃ デンマークの窯で、ロイヤル・コペンハーゲン窯と同じ姉妹企業である。
ファイアンス ふぁいあんす フランスやドイツ、北欧などで作られた錫白釉を施したデルフトタイプのアーザンウエアのこと。
ファミーユ〜 ふぁみーゆ〜 19世紀の中国製色絵磁器の総称で、中心となる色別に「ファミーユ・ヴェルト(緑)」「ファミーユ・ノワール(黒)」「ファミーユ・ローズ(ピンク)」などがある。
フュルステンベルク窯 ふゅるすてんべるくよう 'Furstenberg' 1747年ブラウンシュヴァイク公カール一世の御用窯として設立され、1753年にペンクグラッフを招いて硬質磁器焼成に成功した。
フランケンタール窯 ふらんけんたーるよう 'Frankenthal' ストラスブールから移転したパウル・アントン・ハンノンが、1755年より硬質磁器を製造した。1800年頃に廃窯。
フリット軟質磁器 ふりっとなんしつじき ガラス質の白玉(フリット)を粉砕したものに陶土などを混ぜ、練り上げて焼くフランス式の擬似磁器のこと。
フルート装飾 ふるーとそうしょく 隆起した細い縦縞が連続する造形のこと。
腐食金彩(アシッドゴールド) ふしょくきんさい(あしっどごーるど) 腐食金彩とは、アシッドゴールドのことで、金彩加工の技法の1つ。磁器を腐蝕させ金彩文様を浮き彫りにする技法で、ミントン社が開発したことで知られている。
ブラン・ド・シン ぶらん・ど・しん 中国製で、絵付けされていない輸出白磁のこと。
プリマス窯 ぷりますよう 'Plymouth'1768年にウィリアム・クックワーズィーによって設立され、英国で初の真正硬質磁器を焼いた。1770年にブリストルに移転。
ブリュ・セレスト ぶりゅ・せれすと 1752年にヴァンサンヌ窯で開発された強い水色。「空の青」。
ブリュ・ラピ ぶりゅ・らぴ 1749年にヴァンサンヌ窯で開発されたラピスラズリ色。
ヘクスト窯 へくすとよう 'Hochst'1746年頃にヨハン・クリストフ・ゲルツが設立し、1750年にリングラーを招いて硬質磁器焼成に成功した。1796年に廃窯。
ベットガーb器 べっとがーせっき 白磁焼成に先立ち、1705年頃にドレスデンでJ.F.ベットガーが開発したストーンウエアのこと。
ペテルスブルク窯 ぺてるすぶるくよう 1744年マイセンの金彩師フンガーを招いて、磁器焼成を果たした。ピョートルT世の御用窯。
ベルリン窯 べるりんよう “Berlin”プロイセンのフリードリヒ大王が、1763年に買収したベルリン王立磁器工場。
ヘレンド窯 へれんどよう 'Herend'1826年、ヴィンツェ・シュティングルによって設立され、1839年にモーリツ・フィッシャーに買収された。万博を中心に事業を展開した。
ボウ窯 ぼうよう 'Bow' 1747年頃、エドワード・ヘイリンとトーマス・フライらがロンドンに設立した窯。骨灰含有の擬似磁器を焼き、銅版転写絵付けを発明した。1776年に廃窯。
ポム・ヴェール ぽむ・う゛ぇーる 1756年にセーヴル窯で開発された中くらいの濃さの緑。「青りんご色」。
ボーンチャイナ ぼーんちゃいな 19世紀初頭にスポード社が開発した擬似磁器。雄牛の大腿骨の骨灰を40%弱含んでいる。

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マイセン窯 まいせんよう “Royal Porcelain Manufactory, Meissen”錬金術師のベットガーにより、ザクセンにつくられたヨーロッパ最初の磁器工場。1710年に設立。染付や色絵を完成させ18世紀のヨーロッパ磁器をリードした。
マッフル・キルン まっふる・きるん 間接加熱窯。焼き物が直接火に当たらないように、鞘をかぶせて焼く焼成法を「マッフル」という。エナメル絵付けの際などに用いる。
ミントン社 みんとんしゃ “Minton”イギリスの陶磁器工場。1793年、転写銅版彫刻家トーマス・ミントンによって創業した。磁器を腐蝕させ金彩文様を浮き彫りにするアシッド・ゴールドや、パート・シュル・パートなどの技法でも知られる。
メディチ磁器 めでぃちじき 16世紀頃のフィレンツェで作られた擬似磁器だが、磁器成分はほとんど含まない。中国の青花磁器の写しが多い。
メヌスィー窯 めぬすぃーよう 'Mennecy' 「ヴィルロワ」ともいう。1734年フランソワ・バルバンが設立した軟質磁器窯。エナメル色絵の美しい作品で知られたが、ヴァンサンヌ窯の圧力を受けて1885年に廃窯。
盛金(レイズドゴールド) もりきん(れいずどごーるど) 盛金(レイズドゴールド)は、金彩加工の技法の1つ。高蒔絵のように金を盛り上げ、立体感を表わす方法。すべて金で盛り上げず、エナメルで芯を作って上に金を塗る方法もある。

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ラヴィング・カップ らう゛ぃんぐ・かっぷ 睦の杯。両側にハンドルが付いた形式のカップをさす。
卵殻胎 らんかくたい 「エッグシェル」と呼ばれ、磁胎を薄く削って作る薄胎の作品のこと。
リチャード・ジノリ りちゃーど・じのりしゃ “Richard Ginori”1735年にカルロ・ジノリ侯爵が自分の領土ドッチアに磁器工場を開設した。後に陶器製造会社リチャード社と合併。
リモージュ窯 りもーじゅよう “Limoges”フランス・リムーザン地方にある磁器の窯場。1779年以来アルトワ伯爵の支援で始められた磁器産業の中心地のこと。カオリン採掘業者から始まった窯も多い。
輪花 りんか ソーサーやカップの縁に一定の規律で波をつくり、花弁の形にしたもの。
ルートヴィヒスブルク窯 るーとう゛ぃひすぶるくよう 'Ludwigsburg' 1758年にヴュルッテンベルク公カール・オイゲンが設立し、1760年にリングラーを招いて硬質磁器焼成に成功した。1824年に廃窯。
レティキュレイト れてぃきゅれいと 乾燥・焼成前の水分を含んだ磁胎の時点で、穴を開けたりナイフで切って作る透かし彫りのこと。ピアース、オープンワークともいう。
ロイヤル・ウースター社 ろいやる・うーすたーしゃ 1751年化学者のジョン・ウォールが、ウースター市内で開窯。1757年に絵付けに銅版転写を採用し、早くから磁器の大量生産に努めた。1840年にチェンバレンズ・ウースターと合併。1852年からカー&ビンズ・ウースターとなり、1862年ロイヤル・ウースター磁器製作所に社名を変更。
ロイヤル・クラウン・ダービー社 ろいやる・くらうん・だーびーしゃ “Royal Crown Derby”1876年にエドワード・フィリップスが設立した。1890年にヴィクトリア女王の商品買い上げを機に、「ダービー・クラウン・ポーセリン」から「ロイヤル・クラウン・ダービー」と改称した。
ロイヤル・コペンハーゲン窯 ろいやる・こぺんはーげんよう “Royal Copenhagen”デンマークの磁器製作所。1755年に株式会社として発足。J.G.メールホルン、.L.フルニエの時代を経て、1773年にF.H.ミュラーが硬質磁器焼成に成功。1779年から約1世紀にわたり王室の磁器工場となった。
ローズ・ポンパドール ろーず・ぽんぱどーる 1758年にセーヴル窯で開発された濃いピンク色。ポンパドール夫人の生前には使用例がない。
ロココ様式 ろここようしき 18世紀中ごろにフランスを中心に流行したスタイル。「ロカイユ(貝殻装飾)」に由来するとされている。流麗な曲線模様を主とし、軽妙・繊細かつ典雅。

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