ブリュッセル
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1787〜1803年 手書きと刻印でBの窯印
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ティー・カップ:H=74mm、D=73mm/ソーサー:D=136mm
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この作品はベルギーのブリュッセルで、1787年にザクセン出身のクレティエン・クーネが創立した窯で作られた。この窯は十七年間しか操業せず、作品はあまり残っていない。 素磁はパリやリモージュ風の硬質磁器製で、絵付けがモノクロームに近いことや、描かれたモティーフから考えても、フランス革命期のパリ窯作品の影響を受けているといえる。 前景には打ち捨てられた楽器類と楽譜が描かれている。リュート(横向き)、トランペット、タンブラン(タンバリン)、リコーダーなどの楽器は、ルイ14世などが好んだ宮廷楽器であり、革命の勃発と王朝文化の終焉を表している。中景にはヘルメットが放棄され、二本の槍の横では太鼓が黒煙をあげて燃えている。この太鼓は軍楽器であり、この部分の炎が全画中で最も強調されたオレンジで鮮やかに描かれている。ここでは戦争(革命)の終結が表現される。そして後景をよく見ると、つがいのハトが2羽、仲むつまじい姿を見せている。これは平和の象徴を示している。フランスの第一共和制が崩壊して、ナポレオンが皇帝に即位したのは、ブリュッセルが閉窯した翌年、1804年のことである。 |
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