ブース
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1906〜12年
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ティー・カップ:H=49mm、D=82mm/ソーサー:D=133mm
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ブース窯は1868年にスタッフォードシャー州タンストールでトーマス・ブースによって創業された、アーザンウエアを製造する企業である。スタッフォードシャー窯業群に属し、「チャーチ・バンク・ポタリー」と称した。 この会社はアーザンウエア製のティーセットで、18世紀のウースター窯を模倣する作品を量産した。しかしこれは贋作ではなく、模作・リプロダクションという評価を得ている。ただし第一期ウースター窯の四角い染付マークを真似た窯印の作品も作っている。 絵柄は本品のようなスケール(鱗)文様の藍地に、エキゾティック・バード(ファンシー・バード)を描いたものや、青林檎色地に花絵を描いたもの(いずれもウースター窯のコピー)などを製造した。 これらはブース窯が1905年頃に開発した「シリコン・チャイナ」と呼ばれる陶器を使用して作られた。「シリコン・チャイナ」は全く透光性がないアーザンウエアだが、表面は従来の製品より白く、磁器に見えないこともない素材である。 本品には窯印がないが、共通のティーセットの一部であるプレートには「シリコン・チャイナ」の窯印があり、1906〜12年にかけての作品である。ブース窯は1912年には「スウォン&ソーホー・ポタリーズ」という工場が加わり、同年から窯印も変更される。 本品はブース窯が作ったティーウエアの中でも最高級の作品で、このデザインには英国内やアメリカの高級雑貨店からの製造注文がかなり入っていた。といっても20世紀の作品らしく、仕上げが面倒なスケール文様はプリントで済ませ、花絵の茎と葉の輪郭や鳥絵の一部はプリントで下絵が付けられている。葉などは下絵に添って塗り、花本体と鳥の一部は下絵なしで手描きされている。 金彩もプリントだが、盛り金に近い凹凸が施されている。当時の金彩プリント技術では、こういう細工もできたことがわかる。カップ内側の金彩文様も、18世紀ウースター窯が中国製品の写しとして用いていたパターンに従っている。 |
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