ミントン
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1903年 商標登録された通常のミントン社の窯印
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コーヒー・カップ:H=52mm、D=57mm/ソーサー:D=113mm
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艶のある水色のエナメルと盛り上げ金彩で、桜のように見える花が散らされ、艶のある盛り上がった緑色のエナメルで葉が描かれている。非常に目を引く豪華な金彩文様は、スクロール・エンドから伸びる四枚の葉状文で構成され、ここでは手描きの盛り上げ金彩(レイズド・ゴールド)の技法が用いられている。これらの図柄は、いずれもフランス由来の「アール・ヌーヴォー装飾」におけるデザインからの強い影響を受けた意匠である。 カップ口縁とソーサー外周には、紐とリボンを組み合わせたボーダー柄が「アシッド・ゴールド(腐食地文金彩)」の技法で施されている。 なお本品は製作年代が1903年であるため、「第二展示室」に分類したが、本品と同型で同様のエナメル二色、金彩、アール・ヌーヴォー風の作例が→第一展示室で公開中である。 |
ミントン
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1951〜60年 商標登録された通常のミントン社の窯印
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コーヒー・カップ:H=57mm、D=59mm/ソーサー:D=127mm
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全面総手描きで水辺の鴨が描かれたこのカップ&ソーサーは、ミントン社のアーティスト、アーサー・デール・ホランドによって絵付けされた。ホランドは第二次世界大戦後のミントン社で活躍し、主任絵付け師として1953年のエリザベス二世女王戴冠記念大壺(ジョン・ワズワースのデザイン)の色絵を担当したことで、その名を知られている。 本品は、ミントン社がジョン・ワズワースのアイディアで新しい窯印を導入した1951年直近に製作され、この時期は絵付け師ホランドの全盛期でもあった。 1960年代以降になると、ミントン社の製品からはこのような手描きの色絵付けは激減し、一般的な食器はプリント加飾となり、高価な製品は金彩装飾がメインとなった。したがってこのカップ&ソーサーは、同社の高級手描き絵付け食器の最後の時代を飾る作品といえる。 |
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